今では建てる事が少なくなった蔵ですが、蔵は単なる物の収納の役割だけではなく、他にもいい仕事をしています。
Mさん宅でも暮らしの面、又景観の上でも大きな役割を果たしています。
さて、10月31日予定通り朝から足場を外しました。
その日の午後、期待と不安をもって現場に直行しました。
M邸の西道路の北側から、屋根まわりの袖壁の形状、北壁リシン吹付と漆喰の調和などを確認しました。(かなり成功しています)蔵の全景を何度か見返しながら敷地の南側へ・・・感動です。
改修を終えた蔵は新旧混在した魅力、力強い存在感も増して全体の景観もより美しく収まっている感じがします。
今回の改修工事は、板金と左官工事の修復がまず第一と考えて専門の方々に相談しながら施工要綱や納図をまとめていきました。
問題点のひとつは築70~80年のブロック建築なので破風廻りや外壁の割れが多くて、構造ブロックの鉄筋も数ヶ所露出していました。
これらに対しては下地の施工が大事なので、最善と思われる工法で対応しました。(特殊なパテとメッシュとの組み合せ、左官材料と塗厚での対応)
2つ目は板金工事、雨漏りし易い平谷やパラペット部と屋根との接点・・・などの納まりを板金屋さんと検討を重ねていきました。
今回の改修工事、まず建築物としての基本の条件が整うような計画をする事の大事さを再認識しました。
いい勉強になりました、感謝です。
2024年11月22日 竹田 成太